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「下流大学が日本を滅ぼす!」読んだ。内容の9割はクソだけど1割良い事を言っていて評価に困る・・・

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三浦展さんの「下流大学が日本を滅ぼす! ひよわな"お客様"世代の増殖」を読みました。2008年に発行された本で、当時の大学生や新人社会人を独断と偏見で切って切って切りまくっています。胸クソ悪いレベルです(笑)。内容をいくつか抜粋しましょう。


"あとから親子そろってクレームの電話をして来て、何て言うかと思ったら「パワハラだ!」って。バカとしか言いようがないよ。先生が学生に勉強しろって言ったり、宿題出したりするのがパワハラって言われるんじゃ、何もできないじゃないか"
→(これに限ったことじゃないんだけど)極端な例ばかり出すな。あと、当時の大学生のモンスターペアレント問題は、どちらかというとあなたの世代に近い人たちが問題なんだよ (僕の世代もそろそろモンペ化してきているだろうけど)


"昔も参考図書をそのまま写す学生はいたわけだけど、でも、一応手書きで写せば多少は頭に入るからね。パソコンでコピペじゃまったく頭に入らない。"
→そういう問題じゃないでしょう。。


"セクハラ、アルハラパワハラってのが問題になるようになったのも、女子が増えたせいだろうね。セクハラをしていいって言ってるんじゃないが、そんなことで大学がエネルギーを使うのはムダだって気がするね。"
→大学が人権問題にエネルギーを使う事は当たり前。問題になるようになったのは、昔と比べて弱者の声が届くようになったからでしょう。若者がコミュニケーションを取れなくなった一因としてあなたが上げている、ミクシィなどインターネットサービスのおかげ(せい?)かもしれませんね。


このような主張が、最終章を除くほぼ全ページに渡って書かれているので、抜粋していたらキリがありません。最後の方はほぼ流し読みをしてそのまま終えるはずでした。が、最終章の「提言 オンライン大学で下流脱出を」だけは僕の考えと合うし、「なるほど」と思う意見も書いてあります。どういう事なんでしょう?この章だけゴーストライター(というか、ゴーストアイディアマン(?))でも雇ったのでしょうか?ここは抜粋せずに内容をまとめます。


まず、今のように何年間のちんたら勉強していても時間の無駄だから、教育期間を縮めるべき。かつ、大学を今までの総合大学と、仕事に役立つスキルを学べる職業大学(専門学校のイメージ)にわけて、総合大学への入学者の数を減らすべき。エリートは総合大学で教養も身につけさせる。そして社会に出た後、本人が望めば大学に戻れるようにする。大学はオンラインで授業を行うので、学生は地方にいても一流大学の授業を受けることができる。大学側も施設や教授を減らすことができ、双方の経済的負担を抑える事ができる。


良いお話しじゃないですか。大学なんて、頭のいい一部の学生が、行きたければ行けばいいんだと思います。そして、優秀な人をどんどん伸ばすシステムにしないと、せっかくの彼らの能力が無駄になってしまいます。高偏差値の大学以外に行くくらいなら、さっさと社会に出て経験値をつんだ方が絶対いいです。


そして、携帯電話からも授業を受けられるようにすれば良いとか言ってるんですよこの人、2008年に。「スマホ」という単語が一度も出てきていないので、おそらくガラケーを想定していると思うんですが、いやー素晴らしい意見です。恐らく彼自身の意見というよりは、IT業界の知人に聞いた話なんでしょうけど、「それいいね」と肯定的に受け入れるのはやっぱりすごいと思います。昔々のお話ですが、僕がデジカメを初めて買って間もない頃「ケータイのメールみたいに、デジカメの写真も他の人に送れれば便利なのにね」って友達に言ったら「そんなことできるわけないじゃん」って笑われましたからね。僕も本気でできると思ったわけじゃないですし。頭の固そうな著者の脳みそのどこに、そんな柔軟な部位があったのか。。


いやー、本当に惜しい。全体を覆う「俺たちの時代に比べて今どきの若者はなんてダメなんだ」という的外れな論調がなくて、最終章の内容のみを膨らませた一冊にしてくれたら絶対ずっと良い作品になっていたのに。一つ言える事は、僕はこの本は最終章以外嫌いです。