dake008’s blog

アラフォー男子です。内容が中二病的だから、知人には読まれたくないし自分で読み返したくもない。そういうブログです。

「鹿の王」読んだ。面白かったけど、これ鹿が主人公じゃないんだ

上橋菜穂子さんの「鹿の王」を読んだ。


まず、本のタイトルと本の表紙絵に騙された。作者に騙す意図があったわけではなく、僕の勝手な思い込みが原因なんだけど。。てっきり、ジャングル大帝のような動物世界を描いた小説だと思っていた。めちゃくちゃ強くて頭の良い鹿が群れのボスに成り上がって、ライオンとかから一族を守る的な。実際は人間の世界の話だった。年代は、、中世かな?僕は中世のヨーロッパをイメージしながら読んだ。


この物語は、ヴァンという奴隷とホッサルという優秀な医者を中心に展開していく。

ある日、ヴァンが奴隷として働いている鉱山に「犬のような獣」が現れて奴隷たちを襲う。ヴァンは手傷を負うものの、どうにか獣を追い払う。そして獣の襲来から数日後の夜、高熱にうなされたヴァンが目を覚ました時、その鉱山にいた者たちは全て死に絶えていた。

というのが、この物語の始まり。


舞台となっている世界の事が分からず、序盤は読むのに苦労した。人、国、民族、動植物なんかの名前が実在しないカタカナで、その世界独自の風習なんかも出てくるし。それでも、読み進めていくうちに奴隷たちが死んだ原因とこの事件に関わる人たちの思惑が少しずつ明らかになっていくのが面白かった。そして、完全な悪人はあまりいなくて、イヤな人たちの多くが「一見悪い(冷たい)けど、この人の立場だとまあしょうがないんだろうな」と思わせる描写が上手。もちろん、本当に嫌な奴もいるんだけど。


序盤から中盤にかけては物語の世界になかなか慣れる事ができず、しかも物語が核心に迫っている感じがしないのでイライラしながら読んでいたけど(ただし、ユナという女の幼子については、成長した自分の娘と重ねてほっこりした気持ちで見守っていた)、「解決に向かって動き出した!」と感じてからは面白くなって一気に読み進める事ができた。


この本は2015年に本屋大賞を受賞しているらしい。本屋で平積みになっていたのを覚えている。ただ、作者の名前は聞いた事がなかった。wikipediaを読んでみると「児童文学作家、ファンタジー作家、SF作家、文化人類学者」とある。なるほど、ストーリー全体を包み込む優しい雰囲気は児童文学からきているのか。やたらと地方の風習・風俗の描写が詳しいのは文化人類学者だからか。物語の舞台が中世ヨーロッパっぽかったのもファンタジーと聞いて納得。


後書きに「書き上げるまでには、三年もかかりました」と書いてある。この作品に専念しての3年間なのかはわからないけど、専念してだとしたらずいぶん時間かけてるなぁと驚き。それとも、このボリュームの小説だとそのぐらいかかるのは普通なのかな?